ITイノベーション

オリンピック・パラリンピックイヤーのITイノベーションを国家政策として考える、自民党IT戦略特命委員会委員長の平井卓也衆議院議員と事業構想大学院大学の岸波宗洋准教授対談に記事があったので紹介します。


未来の都市像を世界に
岸波 自民党・IT戦略特命委員会は6月、提言書「デジタル・ニッポン2014」をまとめました。2020年に向けたITイノベーションの狙いはなんでしょうか。

平井 提言書では、2020年までに「おもてなし」や「思いやり」、「おせっかい」を、最先端のITでどう実現するか、政策を検討・整理しています。さまざまなイノベーションのアイデアを盛り込み、世界最先端IT国家の具体的な姿を描きました。2020年のオリンピック・パラリンピックは、世界に向けた日本のビジネスショーケースにしたいと考えています。

東京五輪ではスタジアムはもとより日本全国を先端IT技術のショーケースにする。

例えば、富士山の上に光ファイバーを整備して動画配信してもらったり、ITを起点とした多様なイノベーションを内外に発信していきたいところです。政府が我々IT戦略特命委員会の提言を受けて、予算をつけていく形がとれれば、様々なビジネスアイデアが実現できるでしょう。法律改正は特に不要で、すぐ取り掛かれるものを優先していきます。

岸波 オリンピック・パラリンピックおよび2020年のビジネスに対して、竹中平蔵氏(国家戦略特区諮問会議)の言うようなオリンピック特区の必要性や優遇措置についてどのようにお考えですか。

平井 構造改革、総合、国家戦略の3つの特区がいままでありますが、その根底には、日本が新しいことを行うには規制が多い、フロントランナーを作ることができないという面がありました。しかし今は、特区にせずとも、自治体が「こうありたい」という姿を示せば、実現する手段は沢山あります。ただ、国がある地域を「こうせよ」、というのは地方分権の形としてもおかしい。地域に住む人や行政が、自分たちの将来をどう作りたいか、という所から入ることに意味があるのだろうと思います。IR法案(カジノ併設型複合リゾート施設整備を促す法案)はその最たるもので、臨時国会で基本法が成立する見通しですが、これは地域が自由に手を挙げて良いよ、という法案です。主役はあくまで自治体であると。

ウェアラブル端末を使った観光ガイドや、自動交通システムなども実現するかもしれない。

地方自治体への期待セキュリティ産業にも注目
岸波 オリンピック・パラリンピックビジネスに対して、各自治体の積極的な関わりは必須ということですか。

平井 まず、東京都にはがんばってほしいところです。それと連動するように、五輪を東京都だけのものにせず、例えば大阪がそれまでにカジノを作ろうとしているように、地方自治体も新しい都市モデルを関連づけて考えることが大事です。商店街活性化から福祉特区まで色々なものが出てきます。独自の考え方を持った自治体が、条例を整備して取り組む、そんな時代になったのではないでしょうか。

岸波 その意味では、まさにIR法は自治体・民間企業の有機的な結合を促す法案ですね。

平井 一般的なIRの場合、全敷地に占めるカジノの割合は5%未満です。つまり、カジノが主役のように言われますが、実際は異なり、海外に窓を開いた集約的な施設です。USJのようなもので、それを作りたい自治体は当然あるだろうと思います。

岸波 前号(8月号)でお伺いしたサイバーセキュリティ分野でも、オリンピック・パラリンピックイヤーまでにすべきことは多々あると思いますが、平井先生が特に注目するイノベーション分野はありますか。

平井 まず、高齢化をITの力でどう解決するか、労働人口が減るハンデをITの利活用でどう克服するかが一点です。もう一点は、サイバーセキュリティが産業化する過程で、コンプライアンスとしての保険業務が成立しないといけないということです。最近起きたベネッセコーポレーションの個人情報漏洩問題のように、変化する時代に対応するリスクの軽減策が、ビジネスチャンスにつながるのではないでしょうか。

岸波 確かに、リスク対応が前提になければ、消費者も企業を信用しない時代ですね。一方、2020年までにサイバーセキュリティ分野で10万人雇用が期待されていますが、前提となる人材創出計画についてお聞かせください。

平井 これは相当予算をつけて実施します。小学校から始まり、各種教育現場、企業内でも当然ありますし、海外の各大学との連携も検討しています。官民あげて取り組むべき課題です。

ちなみに、世界最先端IT国家創造宣言は2020年がターゲットイヤー。これはたまたま、オリンピック・パラリンピックにアウトプットが合致しています。だからこそ、オリンピック・パラリンピックが世界最先端IT国家の姿を示すプレゼンテーションの舞台になり得るのです。

岸波 不動産分野などと違って、IT戦略はオリンピック・パラリンピックがゴールではなく起点であり、その後、真価を問われるということですね。

平井 そのとおりです。オリンピック・パラリンピックを契機としたITの更なる発展を期待しています。

2020年夏、東京で待望のオリンピック・パラリンピックが開催される。総経済効果19.4兆円、GDPは毎年0.3%上昇、総雇用は121万人にのぼると予想される。東京オリンピックは、まさにビジネスイノベーションの大いなるゆりかごとなるだろう。
今後も自民党平井卓也議員の活躍に期待します。

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by blog001-3029 | 2018-05-25 13:56 | 政治 | Comments(0)